台風発生時に訪問ヘルパーが取るべき対応は?事前対策も解説

近年では台風の大型化に伴い、日本各地で被害を受けたというニュースを見る機会が増えました。今後も大型台風が発生することが予想されますが、訪問ヘルパーはどのような対応をすればよいのでしょうか。

そこで訪問ヘルパーが台風発生時に取るべき対応を解説します。この記事を読めば台風が発生してもあわてずに対応ができるようになるので、ぜひ参考にしてください。

訪問ヘルパーが台風で対応することは?

台風の規模によっては、訪問ヘルパーが当日派遣できない可能性も考えられます。さまざまな状況が起こることも考慮して、台風の対策を取らなければなりません。

ここからは訪問ヘルパーが台風で対応することを紹介します。

前日に利用者の備えを行う

台風がくる日にちがわかれば、前日に利用者の家に向かって備えを行います。台風の備えとしては、以下の対策を取ってください。

  • 利用者の食材を確保する
  • 雨戸を閉めておく
  • いつも飲んでいる薬を確認しておく
  • 物干し竿を下ろすなど、危険になり得る物を移動する
  • 停電になったときのために、懐中電灯を用意しておく(明かりがつくのかも確認しておく)
  • ラジオを持っていれば、手の届く場所に置いておく
  • お風呂に水を張っておく
  • 携帯電話の充電をしておく

特に一人暮らしの利用者は、いざというときに助けてくれる方が周囲にいない可能性があります。台風がくる日に訪問できなくても問題ないよう、備えておくと安心です。

優先して訪問する利用者を決める

台風発生時には職員の安全を確保する観点からも、どの利用者を優先して訪問するかを決めておかなければなりません。訪問ヘルパーが派遣できないことで、日常生活に支障が出る利用者は誰なのかを把握しておき、優先的に訪問できるようにしておきましょう。

訪問しないと日常生活に支障が出ると考えられる内容は、以下のとおりです。

  • 調理
  • おむつ交換
  • 薬の服薬
  • 寝返り など

上記の内容に該当しない利用者には、台風当日の訪問ができない旨を連絡する方法も有効です。台風の勢力や職員の数などに応じて判断するとよいでしょう。

また、利用者に連絡する際「困りごとがあれば連絡してください」と伝えておいてください。災害が起こると利用者は不安になります。職員と連絡が取れることがわかれば、安心してくれるでしょう。

職員を確保する

台風発生時は職員の台風対応の業務が増えると予想されます。安全を確保したうえで、できるだけ職員を確保できる体制を整えておきましょう。

職員を確保するためにしておくことの一例としては、以下の内容があげられます。

  • 台風がくる日は、緊急の予定がない限り、職員は出勤する規則を決めておく
  • 台風がきても通勤できるように、安全な経路をあらかじめ調べておく

注意点としては、危険を冒してまで職員を出勤させる必要はありません。あらかじめ調べておいた通勤経路が倒木によって塞がれるなど、予期せぬ事態も起こり得るからです。

不測の事態が起きた際は、所長や主任などにその旨を速やかに伝えるなどの対策も決めておきましょう。

安否を確認する

台風が通り過ぎたあとは、利用者の安否を確認してください。安否の確認方法は下記の方法があります。

  • 電話
  • 直接訪問

利用者が登録している電話番号に電話をかければ、その場で安否を確認できます。もし電話がつながらないようであれば、利用者の家族に電話をかけてください。間接的に安否確認が取れるケースもあります。

しかし、なんらかの事情で電話に出られない可能性も考えられます。利用者本人や家族に電話しても安否確認が取れなければ、直接訪問が好ましいです。

利用者から連絡がくるケースも想定して、緊急連絡先を教えておくといいでしょう。こちらから連絡をする手間も省けますし、困りごとに素早く対応できるメリットがあります。

避難所への避難方法を確認しておく

台風の勢力や自宅付近の状況によっては、利用者を安全な場所に避難させることも考えられます。避難方法の確認内容は以下のとおりです。

  • 利用者宅の近くの避難所はどこにあるのか
  • 避難所への避難経路はどうなのか

ハザードマップを確認しておくと、危険箇所や災害時の避難場所が一目でかるため、見ておくといいでしょう。

台風のような災害時には、各自治体から避難指示や高齢者等避難指示などが発令されます。警戒レベルが3になると高齢者等は危険な場所からの避難が必要です。

警戒レベルはあくまでも目安の一つです。危険を感じる前に、避難できるように準備しておくとあわてずにすみます。常に最新の情報が確認できるよう、ラジオやスマホなどでチェックしておきましょう。

訪問ヘルパーの事業所でできる台風の事前対策は?

事業所が台風被害に遭うと、最悪の場合介護サービスの提供ができなくなります。多くの利用者に迷惑をかけることになるため、避けなければなりません。

しかし台風がくる日にちがわかれば、事前に対策できます。台風が来てもあわてないように、事業所での対策が重要です。

ここからは、訪問ヘルパーの事業所でできる台風の事前対策について紹介します。

職員の連絡網を整備しておく

台風発生時は職員間の連絡が肝になるため、トップダウンでの連絡網を整備します。職員の安全と現況の確認や、今後の対応を共有させることで、混乱を防ぐ効果期待できます。

誰が指示系統のトップになるのかも確認しておきましょう。また、指示系統のトップが不在の場合、誰の指示に従うべきなのかも決めてください。

連絡網には電話番号のほかに、LINEやEメールなども記載しておくとよいです。台風発生時は指示系統のトップに向かうほど、何かしらの対応に追われている可能性があり、電話に出られないケースも考えられます。

また、連絡事項を文章にして一斉送信すれば時間短縮につながるので、結果的に台風の早期対応ができるメリットがあるのです。

戸締まりする

事業所の台風対策を行えば、被害を最小限におさえられます。雨風の侵入を防ぐために、扉や窓などの戸締りを強化してください。

カーテンやブラインド、雨戸があれば閉めておきましょう。また窓ガラスが割れる可能性も考慮して、飛散防止フィルムを張っておくと安心です。養生テープでも代用できます。

風で飛ばされそうな物を外に置いてあれば、すべて屋内にしまっておきます。もし、しまえなければ、固定してください。

災害支援物品を確保する

台風発生時に利用者をサポートできるよう、災害支援物品を確保しておきましょう具体的には下記の物品がおすすめです。

  • 非常食や保存食
  • 非常用飲料水
  • 災害用トイレ
  • 救急用品
  • 保温シート

上記の物品を持ち運びしやすいようにリュックサックに入れておくと、両手が空くので便利です。非常食や保存食、非常用飲料水は賞味期限があります。最低でも1年に1度は、賞味期限を確認してください。

浸水に対策する

大雨が降ると事業所内に水が入ってくる可能性があります。浸水してしまうと介護サービスが提供できなくなるおそれがあるため、対策を講じておきましょう。

浸水対策の一例を紹介します。

  • 土のうを用意しておく
  • 水中ポンプを購入する
  • 雨水マスのゴミや落ち葉などを取り除く

また、パソコンが浸水してしまうと大切な介護記録が消えてしまうので、ビニール袋で覆っておくだけでも浸水対策になります。

防災アプリに登録する

防災アプリに登録しておくと、周辺で発生している避難勧告や警報などを把握できるので便利です。訪問ヘルパーはもちろんのこと、利用者や家族の方にも登録してもらうことをおすすめします。

防災アプリを選ぶ際は、以下のポイントをおさえておくとよいでしょう。

  • 情報が正確か
  • 必要な情報が入っているか
  • 対策したい災害のタイプに対応しているか(たとえば土砂災害や河川増水など)
  • 簡単に操作ができて見やすいか

いざというときに使い方がわからないと困るので、事前に登録して操作に慣れておくと安心です。

まとめ:台風発生時には優先順位をつけるのが大切

台風が発生すると職員の確保や台風が過ぎたあとの利用者の安否確認など、イレギュラーな対応に迫られます。台風が発生したときの対応を決めておかなければ、パニックに陥ってしまう可能性も考えられます。

大型台風がきても焦らないよう、事前に対策しておくことが必要です。職員連絡網の作成や防災アプリの登録など、できることからはじめましょう。

また利用者全員のもとに訪問ヘルパーは行けません。何を優先するのか順位をつけることの重要性を再認識して、適切な対応を取るように心がけてください。